結婚式に招待された際、ご祝儀の準備で悩む人は少なくありません。金額の相場や包み方、のし袋の選び方、表書きの書き方など、細かなマナーを知らないと相手に失礼になってしまうこともあります。
本記事では、友人・親族・上司別のご祝儀の相場、のし袋の種類、正しい書き方を詳しく解説します。
ご祝儀の相場

結婚式のご祝儀は、贈る相手との関係性によって相場が異なります。友人・親族・職場関係者など、それぞれのケースで適切な金額を知り、マナーを守ることが大切です。ここでは、それぞれの相場と、注意すべきポイントを紹介します。
友人へのご祝儀の相場
友人の結婚式では、一般的に「3万円」が相場とされています。特に、30代以上の社会人の場合、少なすぎると失礼にあたる可能性があるため、3万円以上を用意するのが無難です。
ただし、学生や新卒の場合は「1万円~2万円」でも失礼にはなりません。近年では、2万円を包む際には1万円札1枚と5千円札2枚を入れることで「割り切れない」数字にし、不吉な印象を避ける工夫が推奨されています。
親族へのご祝儀の相場
親族の場合、関係の近さによって金額が異なります。兄弟姉妹の結婚式では「5万円~10万円」、いとこや甥・姪の場合は「3万円~5万円」が一般的です。特に兄弟姉妹の場合は家族間で金額を揃えるケースも多いため、事前に親と相談しておくとよいでしょう。
地域によっては金額の相場が異なることもあるため、家族内での過去の慣例を参考にするのもおすすめです。
上司・同僚へのご祝儀の相場
職場関係の結婚式では、同僚には「3万円」、上司には「3万円~5万円」が一般的です。特に上司の場合は、直属の関係や会社の文化によって金額が変わるため、同僚と相談しながら決めると安心です。
一方で、部下へのご祝儀は「1万円~3万円」が相場ですが、特に親しい関係であれば3万円を包むこともあります。また、会社単位でまとめてご祝儀を渡すケースもあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
ご祝儀袋の種類と包み方

ご祝儀を包む際には、適切なのし袋を選び、正しい包み方を守ることが大切です。結婚式の場にふさわしいデザインや水引の種類を理解し、マナーに則った形で準備しましょう。
ご祝儀袋は、包む金額によって適切なものを選ぶのがマナーです。シンプルなデザインのものは「3万円以下向け」、豪華な装飾のものは「5万円以上向け」とされています。
水引は「結び切り」が基本で、何度もほどける蝶結びはNGです。なお、関西地方では「大熨斗(おおのし)」と呼ばれる特殊な熨斗袋を使用することもあります。
お札の向きと包み方
ご祝儀に入れるお札は「新札」が基本で、肖像画が表側にくるように揃えて包みます。お札の枚数は偶数を避けるのが一般的ですが、「2万円」の場合は1万円札と5千円札2枚の組み合わせが推奨されます。新札を用意できなかった場合は、銀行で両替するか、アイロンをかけてしわを伸ばすとよいでしょう。
表書きの書き方と注意点

ご祝儀袋の表書きには、正しい筆記具を使用し、マナーを守って書くことが重要です。特に、結婚式ならではのルールを意識して、丁寧に仕上げましょう。
毛筆・筆ペンの選び方
ご祝儀袋の表書きを書く際には、毛筆や筆ペンを使用するのが正式なマナーです。特に、濃い墨を使って書くことで、慶事にふさわしい格式を保つことができます。ボールペンや鉛筆での記入はカジュアルすぎる印象を与えるため、避けるようにしましょう。近年では、筆ペンにもさまざまな種類があり、初心者向けにペン型で扱いやすいものも多く販売されています。
注意点
注意すべきポイントとして、筆ペンには「濃墨(こずみ)」と「薄墨(うすずみ)」の2種類があることが挙げられます。濃墨は結婚式やお祝いごとなどの慶事に使用されるのに対し、薄墨は弔事向けです。これは「涙で墨が薄まる」という意味合いを持つため、ご祝儀の表書きには適しません。間違えて購入しないよう、必ずパッケージの説明を確認しましょう。
また、筆ペンに慣れていない場合は、練習用の紙で何度か試し書きをしておくと、スムーズに美しい文字を書けるようになります。特に、漢字の「寿」「御祝」などは太くバランスよく書くことで、見た目の印象が整います。表書きを書く際は、落ち着いて、ゆっくりと書くことを意識すると良いでしょう。連名でご祝儀を渡す場合の書き方
夫婦や友人同士で連名にする場合、右側に目上の人(または年齢が上の人)、左側に目下の人の名前を書くのがルールです。3名以上の連名になる場合は「○○一同」と書き、中袋に全員の名前を記載する方法もあります。
ご祝儀の渡し方とマナー

ご祝儀を渡す際は、ただ受付に渡すだけでなく、正式な作法を守ることで、より丁寧な印象を与えることができます。持参方法や渡すタイミングにも注意しましょう。
ご祝儀の渡し方
ご祝儀を連名で渡す場合、記載の順番やレイアウトにはルールがあります。基本的には、夫婦や友人同士など、連名にする場合には「右側に目上の人、左側に目下の人」を書くのがマナーとされています。これは、日本の伝統的な書式に基づき、「右が上位、左が下位」と考えられているためです。
例えば、夫婦で渡す場合は、夫の名前を右側に、妻の名前を左側に書きます。ただし、夫婦どちらかが会社の上司である場合や、特別な理由がある場合は、社会的地位を考慮して順番を決めることもあります。友人同士の場合も、年長者や代表者が右側に記載されるのが一般的です。
3名以上の連名になる場合、ご祝儀袋の表面に全員の名前を書くとスペースが足りなくなるため、「○○一同」とまとめて記載し、中袋に全員の名前を記載する方法が推奨されます。この場合、全員の名前を楷書で丁寧に書き、読みやすくすることが大切です。
連名で渡す際には、あらかじめ渡す相手に説明しておくことで、誤解を防ぎ、スムーズな受け渡しが可能になります。
渡すタイミングと挨拶の仕方
結婚式当日にご祝儀を渡すタイミングは、主に「受付での手渡し」が一般的です。受付が設置されている場合、到着後すぐに受付担当者へご祝儀を渡すのがマナーとされています。その際、「本日はおめでとうございます」といったお祝いの言葉を添えると、より丁寧な印象を与えます。
ただし、新郎新婦本人に直接ご祝儀を渡すのは避けた方が良いでしょう。結婚式当日は新郎新婦も忙しく、多くのゲストと接するため、個別に対応する余裕がないことがほとんどです。また、式場の運営側も受付での一括管理を行うため、個別に渡してしまうと混乱を招く可能性があります。
また、披露宴ではなく結婚式の「二次会」にのみ参加する場合は、受付が設けられていないこともあります。その場合は、幹事や主催者にご祝儀を渡すか、あらかじめ封筒に「御祝」と記載してスマートに渡すのが望ましいでしょう。
まとめ
結婚式のご祝儀マナーを守ることで、相手に失礼なくお祝いの気持ちを伝えることができます。相場やのし袋の種類、表書きのルールを理解し、適切に準備を進めましょう。
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